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キャリアアップコラム

キャリアアップコラムでは、実際に行われているカウンセリング風景や、候補者の方とのやり取りをご紹介いたします。

自分の提供できる価値は何ですか?
山田 栄太郎

Vol.91 自分の提供できる価値は何ですか?

有効求人倍率0.43 / 完全失業率5.4%
2009年6月時の統計データです。早期退職、部門閉鎖、日本撤退、給与カットなど、少し前であればびっくりするような言葉も今や聞き慣れるほどになってしまいました。このような状況下で転職を成功させるためには、これまでとは異なる心構えが必要です。



Aさんは一貫して電子部品メーカーの営業職。クライアントに対する提案営業を続けていくうちに、経営そのものを理解できなければ本当の提案などあり得ないと考えるようになりMBA取得を決意。思い切って電子部品メーカーを退職し32歳で渡米。1年間の語学研修と2年間のMBAコース、計3年間の海外生活から帰国したばかりでした。


「MBAの知識を生かし事業会社で経営企画に就きたいと考えています。コンサルティング業界も第二の選択肢です。コンサルタントとしての経験はありませんがMBAの授業を通して数多くのプレゼンテーション実績もありますので対応できるはずです。ただ、なかなか書類選考を通過できず苦戦しています。」

MBAをきっかけに「やりたい事」へのキャリアチェンジを目論んでいたAさんにとって予想外の苦戦。MBAで目指す方向に足りない知識を補完したにも関わらず思い通りにならない現実にショックを受けていました。MBA留学前(3年前)に比較すると雇用環境が激変したことが苦戦要因の1つであることは間違いありません。ただ、今の状況で転職を実現させるためには根本的に発想を変える必要があります。つまり、「Aさんの考えるやれる事(やりたい事)」ではなく「企業の考えるAさんのやれる事」に焦点を絞り転職活動を進めることです。


採用における企業の最大の関心事は実務経験にあります。実務経験からその方のアウトプットを予想しそこに先行投資する。ポテンシャルの高さも判断材料のひとつになり得ますが、やはり中途採用においては実績を元に判断するしかないのです。「やりたい事」ではなく「やれる事」、これは企業側からみると自然な姿です。

今は、
・自分の経験を俯瞰し自分の強みは何かを整理する
・自分の「やりたい事」ではなく、市場から見た自分の「やれる事」を知る
・上記2点から見えてきた事と自分のやりたい事に整合性がとれるかどうかを考える
このような視点を持ちながら、自分を即戦力として考えた場合の自分の提供できる価値をあらためて知っておく必要があるのです。


行きたい企業ではなく活躍できる企業へ、やりたいポジションではなく活躍できるポジションへの転職。長期的には、行きたい企業と活躍できる企業、やりたいポジションと活躍できるポジションが一致している状態を目指してキャリアを構築していく必要があります。ですので、転職を「やれる事」の延長線上で捉え、どのように「やれる事」を「やりたい事」に変えていくかを真剣に考えてみると良いと思います。


不況に立ち向かう中で企業も人も筋肉質になりつつあります。それに伴い、以前にも増していかなる状況でもコンスタントに高いパフォーマンスを発揮し続ける人が評価されるようになっています。高いパフォーマンスを発揮し続けることを考えたら「やれる事」の延長線上に答えを求めていくことが自然です。もし「やれる事」の延長線上に答えを見出すことができないとしたら、今は転職をしないという決断も悪くないのかもしれません。

今回の教訓&アドバイス
  • 1.自分のやれる事(提供できる価値)を知る
  • 2.「やりたい事」と「やれる事」が一直線上にある状態を目指す
  • 3.コンスタントにパフォーマンスを発揮し続けるための道を探る