キャリアアップコラム vol.122
5年後、10年後のキャリアを見通すことはできるか?

先日お会いした方に、「私がこの会社に転職した場合、5年後、10年後のキャリアはどうなっていると思いますか?」というご質問を頂きました。普段面談をしていると似たような質問を頂く事は珍しくありません。

この質問を受け、もちろん私もちゃんと考えるのですが、「そうですね・・・、正直分かりません」と答える事がほとんどです。無責任な回答に聞こえるかと思いますが、本当に分からないのです。

この変化の激しい時代では予期せぬ事がたくさん起こります。大企業に入って安心していたら、会社が統合して管理部門を整理することになったり、エンジニア系の職種ですと、例えばガソリン自動車を作っていたら、これからはハイブリッドや電気自動車が主流になって技術が陳腐化してしまったり、マーケティング系の職種であれば、最近ではソーシャルネットワークを活用したマーケティング手法が重要になってきて、新たにゼロから勉強しないといけなくなったりすることがあります。

このように時代の流れによって、個人の力では如何ともしがたい事が起こりえる為、我々も無責任な事を言えないようになってきました。専門性の陳腐化が、キャリアの陳腐化に繋がる為、定期的に自身のキャリアをチェックして、現在の仕事に関係なくても先を見越して必要だと思うスキルを獲得する行動が重要になってきています。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論で「計画された偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)というものがあります。これは、個人のキャリア形成は予期せぬ偶発的な出来事に大きく影響されるものであり、その偶然に対して最善を尽くし、より主体的に努力する事でキャリアを創造できるという考え方です。
同教授は、「計画された偶発性」を自身のキャリアの強みに変えていくために、以下3つを勧められています。
・「計画された偶発性」は自分自身の今までのキャリアの中にあることを理解する
・好奇心に従って、「学ぶこと」と「探し求めること」の新たな機会を得ていく
・好ましい機会を創り出すために、具体的に行動する

複雑で予測不可能な現代において、特定のフレームに沿って描かれた固定的なキャリアプランを計画通りに進める事は難しくなってきました。自分の身に起こった出来事を好機と捉えて前向きに行動し続けること。このキャリア理論は現代の現実的なアプローチであると感じさせられます。

自分自身で言えば、そろそろ本格的に英語を勉強しないといけないですね・・・。

(2013年3月20日)

今回の教訓&アドバイス

計画したキャリアプラン通りに進めることが難しくなってきたことを理解する。

定期的にキャリアをチェックして、先を見越して行動に移す。

自分の身に起きた出来事を前向きの捉え、それをチャンスに変える。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
入江 祥之
経営幹部(CXO、マネジメントクラス)、ファンド(PE、VC)、及び、ファンドの投資先ポジション。また、コンサルタント経験者(ポストコンサル)の転職支援を専門としております。
【 CxO専門チーム / ポストコンサルタント専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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