キャリアアップコラム vol.184
面接官が聞きたいことにしっかりと応えていますか?

報告内容と結果が一致しない?

面接後に候補者の皆さんから、面接での手応えや感想などについての連絡をいただくのですが、自信に満ち溢れた声で「バッチリ自己PR出来ました!伝えたいことは伝えてきたので、後悔はないです!」という報告もあれば、一方で「面接官の質問にうまく応えられたかどうか自信がありません」と報告して下さる方もいらっしゃいます。
 
ここで興味深いことがあるのですが、それは、その報告と結果が必ずしも一致していないことが実は非常に多いということです。厳密なデータを残している訳ではなく、あくまで私の経験上ではありますが「自己PRが出来た」と報告いただく場合の結果は「お見送り」であることが多く、また「うまく応えられたか自信がない」と報告いただく場合は「選考通過」となっているケースが多い傾向にあります。
 
ではなぜこのような「報告内容と結果の不一致」が起きてしまっているのでしょうか?それは、候補者皆さんの「面接」に対するスタンス、考え方の違いがひとつのポイントになっているようです。

面接に臨むスタンスで結果が変わる

「自己PRが出来た!」という方の報告をよく聞いてみると、面接の場で如何に上手く自己PRをするか、如何に自身を良く見せるか、に力点を置いてしまっている傾向が強く、面接官の質問に対して、自身がどうしても伝えたいことや、用意してきた自己PRの文脈になんとか近づけようとしながら回答しており、その結果、面接官が本当に聞きたかったこととその回答には「ズレ」が生じている可能性が高いということが分かりました。
 
こうなってしまうと、本人は存分に話した気になっているものの、面接官は聞きたいことが聞けていないため、十分な判断が出来ないばかりか、「コミュニケーション力に難あり」という印象を与えてしまい、本来の実力通りの評価は愚か、それを下回る評価になってしまうと言えるでしょう。そうなると当然結果は「お見送り」となってしまいます。
 
一方、「うまく応えられたか自信がない」と報告してくださる方は、まず面接官からどのような質問があったのかについて、かなり明確に覚えているという共通の傾向が見られます。これはひとつには「相手のことが良く見えている」ということが言えそうです。
 
というのも「うまく応えられたか自信がない」という言葉の裏には、まずは少なくとも面接官の質問の意図を理解しようとしたことが窺えます。さらに、その意図に沿って回答が出来たのかどうか、面接官が聞きたいことにしっかり回答できていたかどうか、を心配しているからこそ出てくる言葉であると思われます。つまりは面接官としっかりコミュニケーションを取ろうとしているスタンスであることが分かります。この場合(経験・スキルのミスマッチという理由でお見送りになるのは別として)、コミュニケーション力は高く評価され、人物的に好印象を抱かれることがほとんどで、良い結果に結びつくことが多いです。

今一度「面接の場」では何が行われるかを理解して臨む

「自己理解を深めてアピールできるポイントを伝えられるよう準備します」と仰る方がいます。自己理解を深めることは重要ですが、あまりに自己理解を突き詰め過ぎると過剰にアピールをしたくなってしまうのが一般的な「症状」となります。今一度「面接の場」では何をすべきかを理解し、ご自身の理解だけでなく、企業理解もしっかり行って面接に臨むことが肝要です。 
 

「面接は面接官と応募者がコミュニケーションを取り合い、その人がその会社に合っているかどうかを互いに確認し合う場」(※①)と面接官は考えています。面接官が聞きたいことに応えていないばかりか、聞いていないことばかり話してしまっては、そもそものコミュニケーションが成立しません。面接官の質問の意図を理解し、熱意と誠意をもって、コミュニケーションしていくことを心掛けましょう。そうすればきっと良いご縁が生まれてくるはずです。

※①:弊社代表著書「そのひと言で面接官に嫌われます」より引用

(2017年6月20日)

今回の教訓&アドバイス

面接の場では何が行われるのかをしっかりと理解して面接に臨む。

面接官の質問の意図を理解し、熱意と誠意をもって回答する。

自己理解を深めるだけでなく、むしろ企業理解を深めて面接に臨む。

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
武田 直人
CXOをはじめ、経営幹部から事業責任者、そしてPdMなど、企業の「要」となるポジションへの転職支援が強み。注目のスタートアップから大手企業まで、Web・インターネットサービス業界が最も得意とする領域。
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