キャリアアップコラム vol.174
職業・キャリア選択において大切なのは「自己理解」

成功する「職業・キャリア選択」の方法とは?

弊社にご相談にいらっしゃる方々が抱えている課題は実にまちまちです。
私たちは、面談の際に色々な話をする中で課題を共有し、そしてその課題の解決に向けて一緒に考えるプロセスに入ります。

どんな課題が浮き彫りになるかはその時々ですが、今回は「自己理解」という課題に注目したいと思います。「自己理解」はキャリア選択において非常に重要です。

 
米国の心理学者ジョン・ホランドは、彼が提唱する職業選択理論の中で、人間のパーソナリティと環境を6つ(現実的、研究的、社会的、慣習的、企業的、芸術的)に分類し、職業選択にあたっては出来るだけ同じ類型になるようにしたほうが成功度合が高まると言っています。

また、同じく米国の心理学者エドガー・シャインが提唱するキャリアアンカー理論では価値観を8つ(専門能力、経営管理能力、安定、企業家的創造性、自律、社会への貢献、ライフスタイル、挑戦)に分類し、これらが職業選択との関係で重要としています。

こういったキャリア理論をある程度理解した上で、私たちは転職相談の中で、「自己理解」を深めることを支援させていただいております。

なぜ転職をしたいのか?を明確にする

今回の事例として登場いただくAさんは、金融業界で営業を軸にご活躍してきました。

30代半ばに差し掛かり、ふと、このままでいいのだろうかという思いが強くなり相談に来られた方です。Aさんは営業として高い成績を上げており、上司から可愛がられ、後輩から慕われるタイプとお見受けしました。年収も同年代の中ではかなりの高額ですし、今の仕事は別に嫌いでもないとのことです。

 
では何故?という率直な疑問を投げかけてみましたが、当のAさん自身も、何故なんでしょうね・・・と暫しの沈黙の後、ただ、このままの人生でいいのかと。

他に自分に合った仕事があるのではないかという気がして・・。そう思うようになってから本を読んだり、セミナーに参加したりしているうちに、特に、M&Aや経営戦略コンサルタントに興味を持ったとのことです。ただ、興味をもったというだけで、志や信念のようなものは特に感じられず、その方向で転職活動を勧めることはしませんでした。

 

自分を知ることからはじめる

ちょっと迷走気味のAさんを目の前に、ここで本質的に大事なことは、まず「自己理解」をすることだと思いました。

自分が何者で、どんな個性があるか。強みと弱みは?価値観は?といったことを知る必要があります。そのために過去を振り返りながらディスカッションをしたのです。過去を振り返り始めるとAさんの話の勢いは止まらず、色んな思いが出てきて、感情も浮き彫りになってきました。

 
そこで私は、Aさんのこれまでのお話をお伺いしていて感じたことをフィードバックしました。Aさんは、経営者として活躍中の叔父様のようになりたいという思いがとても強いのではないですか?と、お伺いしたところ、Aさんはハッとしたように、ご自身も心のどこかでそのことを強く意識していたことを再認識されたようで、確かに自分は叔父のような経営人材になりたいのかもしれません。とおっしゃいました。
 

自己理解から自分に合った会社を探す

そこで私は、M&Aでもなく、経営戦略コンサルタントの会社でもない、Aさんにお勧めしたいB社が浮かび、ご紹介しました。

B社のポジションでは、過去の経験業種を問わず、マネジメントを担える素養があれば充分お任せしてもらえる可能性があるということ。そして、入社後に経営陣と価値観を共有し、能力を認められれば早期に幹部への登用もあるという点でAさんに合っていると思ったからです。

 
その後、選考は順調に進み、Aさんは気持ちよくB社へのご入社を決めたのです。
それから数年・・・。
 
AさんがB社の中で一つの重要な部門のTOPを任されることになったことを聞いて、心の中で思わずガッツポーズ。毎回毎回このようにうまくことが運ぶわけではないですが、キャリアに迷ったら是非一度弊社にご相談にいらしてください。
 
(2016年8月20日)

今回の教訓&アドバイス

自己理解は大事

キャリアに迷ったらキャリアコンサルタントに相談

本当に自分に合う会社は活躍しやすい

このコラムを書いたコンサルタント
コンサルタント
奈良 元生
エグゼクティブポジション全般、オーナー系中堅成長企業。新規立ち上げ、事業企画系実績も多数あり。
【 CxO専門チーム 所属 】 プロフィールをみる
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